衣掛けの松

衣掛けの松の由来は、浅間大社祭神の木花開耶姫が産御前松（南新町・現在の浅間町にあったとされる松）の下で出産する際に、この地にあった松の木に衣を掛けたという伝承があります。
さらに、もう一つはこの地に武田信玄が駿河の今川を攻めた際に（1568年12月芝川内房と薩捶峠に布陣）、戦塵にまみれた衣服を近くの湧水で洗い、この松にかけて乾かしたという伝承です。その際に近くを流れる方辺川に架かる勝之橋をモチーフにして詠んだ信玄の句が「もののふの　いくさに勝の橋にきて　いさみわたりて　とる泉芹」といわれています。
二つの言い伝えに出てくる衣を掛けた松はすでに枯れ果てていますが、その跡地に1893年（明治26年）、石碑が建立され、毎年8月16日前後に羽衣区民の手により祭事が現在でも執り行われています。